「ChatGPTにCOBOLのソースを貼れば、設計書を書いてもらえるのではないか」
実際に試した方は少なくないでしょう。見出しも項目もそれらしいものが返ってくる。けれど中身を読んで気づきます。「これでは、そのまま使える設計書にはならない」と。
ChatGPTが悪いのではありません。これはChatGPTという道具の構造的な限界です。
なぜChatGPTではうまくいかないのか
ChatGPTに渡せるのは、基本的に1ファイルです。多くても数ファイル。
しかしCOBOLやIBM RPGのプログラムは、1本では完結しません。CALL先のサブプログラム、COPY句で取り込まれる共通定義、外部ファイルへの参照──これらのつながりの中で初めて「なぜこう書かれているか」が見えてきます。
1本だけ渡して書かせた設計書からは、この文脈がごっそり抜け落ちます。あるプログラムが別のプログラムを呼び出していても、呼び出し先の処理内容は設計書に出てこない。1ファイルの外にある情報は、すべて死角です。
ChatGPTは「聞かれたこと」にしか答えない
もう1つ、より根本的な問題があります。
ChatGPTは、貼られたものを読んで答える道具です。「このプログラムが呼んでいるサブプログラムも探して、一緒に読み解いてほしい」とは頼めません。
どのファイルが関連しているかを調べ、見つけて、貼る。その段取りはすべて人間の仕事です。
ここに厄介な矛盾があります。関連ファイルを正しく特定するには、プログラムの構造をある程度理解している必要がある。設計書がないから作りたいのに、作るための入力を揃えるには、結局プログラムを読み解く力が要る。ChatGPTは、この矛盾を解消してくれません。
ChatGPTの壁を超えるAIエージェント(Claude Code)
ここまで挙げた壁──「1ファイルしか見えない」「自分からは探しに行かない」。この2つを同時に解消する手段があります。Claude Codeに代表されるAIエージェントです。
AIエージェントとは、指示を受けたら完了するまで自律的に動き続けるAIです。ChatGPTが「聞かれたことに1回答える」道具だとすれば、AIエージェントは「任された仕事を自分で段取りして片づける」存在です。
1つのプログラムを指定すれば、CALL先、COPY句、外部ファイル定義を自律的にたどり、関連するソースをまとめて読み解きます。「次はこのファイルも見て」と人間が指示する必要はありません。
出力されるのは、画面レイアウト、帳票定義、処理フロー、データ構造一覧──実務で使える粒度の設計書です。
しかも、AIエージェントは手元のPC上で動くため、コードを外部に送る必要がありません。社内のソースコードは社内から一歩も出ず、設計書を作成することができるわけです。
実際にAIエージェントがRPG言語を解析して生成した仕様書の実例にご興味があれば、こちらの記事でご覧いただけます。
関連記事:AIはAS/400 (IBM i) RPG言語を理解して仕様書を書けるのか?
当社の生成AIエージェント導入支援サービス
AIエージェントの力を引き出すには、対象システムに合わせた設定が重要です。プログラムの特性によって最適な構成は変わりますし、AIへの指示の精度が結果を左右します。
当社では、メインフレームやオフコンの知見と最新の生成AI技術の両方を活かし、お客様のシステムに合わせたエージェント構成を設計しています。AS/400(IBM i)のRPG・COBOLを中心に、3,000本以上のプログラム解析実績があります。
「まず1本のプログラムで試してみたい」という段階から、組織的な展開まで、伴走型でサポートいたします。
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